コラム | 2004年11月25日 金曜日 |
耐久性・室内環境 |
耐久性 建物を取り囲む状況は、やはり21世紀を迎えて大きく変わったと実感する。
木造住宅における構造材はムク材からエンジニアウッドに、地盤改良、杭等のない基礎はありえず、外壁、屋根は通気層を設けて外断熱、室内は高気密化されて24時間換気・・・・・。
建物の強度は、確実に上がった。でも、それは耐久性が上がったのではなく初期強度が上がっただけなのではないかと心配になる。
接着材で貼り合わせた構造材は、いつまでもつのだろう。金物だらけの仕口はいつまで強度を保持してくれるのだろう。工業製品だらけのインテリアの経年変化のように完成時を最高に右肩上がりの一次直線そんな風に思えてくる。物には寿命があるのだから仕方ないが、せめてプラスの三次曲線位にはならないといけない。そうは言っても、私にそれを克服するような工法や材料を作れるはずもない。今あるものを使わせて頂くだけだ。
しかし、この事を知って使うのと知らずに使うのでは、まったく異なった結果が出来るのではないだろうか。使い方を考えるアイデア位は私にもある様な気がする。
室内環境 といえば、温湿度と通風、採光の事だと思っていたら、最近は化学物質の事だと思い知らされる。
前者は、最低基準でもクリアーしていれば問題はまずないが、後者はそうはいかない。最悪の場合、裁判沙汰になり、大変な責任と賠償を要求されるからだ。日本も、訴訟国家になったといえばそれまでだが、実に恐い状態である。 認可された建材でも保管や施工方法によっては発生する事もあると聞くし、天然の材料の中にも微量には含まれているし、規制外の物資も多数存在する。
本当に化学物質過敏症やシックハウスで、病んでおられる方には大変申し訳ないが、一般的には、あまりにも過敏になりすぎているようにも思えてくる。原因を取り除くのも重要な方法だが、人間の側も悪性に対する自然治癒的なパワーというか、耐性をを身に付ける生活というのも考えてみてはどうだろう。現代人は化学技術の恩恵を受けすぎ、微弱化し過ぎてしまったのではないだろうか。
今や世の中健康ブームである。健康と聞けばすぐに飛びつく。ミノさん効果か、あるある効果か知らないが、世の中みんなが元気になってもらいたいもの。そんなブームもあってどうか、最近やたらとケイソウ土とかシラスとかよく耳にする。私が初めてケイソウ土を知ったのは、15年位前に、ケイソウ土を使った左官材料の糊の研究記事を読んだのが最初だった。たしかに、ケイソウ土の持つ特性は良いのだが、最近の製品としてのケイソウ土は、ボードの上に数ミリ塗ったり吹き付けたりした物が多いが、本当にそれで本来のケイソウ土の特性が活かされているのだろうか? と疑問に思えてしまう。