素魅家シリーズは2006年より進めている住宅の一つです。
2012年の現在、赤磐市桜ケ丘の家、泉田の家、赤磐市の家、
北長瀬本町の家、吉備津の家が素魅家のシリーズになります。
この素魅家プランで出来た建物についてそれぞれご紹介します。
基本趣旨
キーワードは「Natural&Simple」
「素」のもつ意味にこだわり、素材、素地そのものにある素質と美しさを求めた住まい。
絢爛豪華な家ではなく、木綿のような素肌感覚の質素さ。
自然で単純で直載である事は、必然的に経済的な設計です。
素魅家#01 赤磐市桜ケ丘の家 竣工年:2006年 |
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---外装--- 外壁:フレキシブルボード、ガルバリウム鋼板 屋根:ガルバリウム鋼板 ワンタッチルーフ ---内装--- 床:1F…杉板本実、2F…針葉樹合板 壁:PB12.5素地 天井:構造材現しラワンベニヤ |
施主のTさんとは旧知の仲。私の家づくりの良き理解者です。そんな彼からの依頼。ローコストでライフサイクルコストが低く、長持ちし、気持ちの良い家を造りたいとのこと。県産材の杉を構造材、造作材、仕上材総てに多用し、材の味わいを最大限に活用しています。自然のエネルギーを有効に利用する為、断熱と通風には知恵を凝らし、内外の複合断熱や通気層気密層等の構成で熱の伝導、輻射、対流それぞれに対応した造りとしています。その効果は絶大で、特に冬の日没後の室内の暖かさには驚きます。もう一つ人を驚かせるのが、階段。壁から片持ちでハネ出した階段が、床から縁を切られ 宙に浮いた構造になっています。わずか8cmの支持で十分な強度と耐久性を確保しています。プライバシーの為に個性化するのではなく、家族のコミュニケーションを大切にする施主の考え方が反映された間取りは、大きなリビングの吹抜を中心に両側に室を設けるという構成。間仕切りは極端に少なく、これで本当に良いのって感じさえする。とはいえ、素材の素を追及した家“素魅家”は、ロケーションの良さも合いまって 自然の中で生きている事を感じさせてくれる、そんな家になりました。 |
素魅家#02 泉田の家 竣工年:2007年 |
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---外装--- 外壁:セルフレックス、ガルバリウム鋼板、一部漆喰塗 屋根:ガルバリウム鋼板 ワンタッチルーフ 陸屋根部:ガルバリウム鋼板、FRP防水 ---内装--- 床:1F…セルフレックス、2F…フロアーパネル 壁:ビニルクロス 天井:ビニルクロス |
敷地は岡山市内南部の最近新しく開発されつつある、まだ少し田畑の残る地域ですが、近い将来住宅で埋まってしまいそうな勢いで建設が進んでいる処でもあります。シンプルで機能的、センスが良くてローコスト。施主の要望を簡潔にまとめるとこうなります。まさに今、私達が進めている素魅家シリーズのコンセプトです。まずは素材を見て、触れて、理解していただく事から始めました。セルフレックス(フレキシブル板)は決して目新しい材料ではありませんが、かなり古くからある建材でその性状は実証されています。くわえて素地の美しさもあり、外壁、床、内装へと使用範囲を広げていき、最後はアプローチの可動ルーバーも作ってみました。5.5m間口の車庫は建物から延長した漆喰塗りのゲートによって一体化し、アルミカーポートを改造し建物に柱なしで継いでいます。エントランスから玄関ポーチにかけてのガラスの天井はフレームを隠し、露天のような明るさと開放感を感じさせてくれます。 |
素魅家#03 赤磐市の家 竣工年:2007年 |
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---外装--- |
郊外に開発された閑静な住宅地に建つこの住宅は素魅家#01の展示会にお越しになり、設計コンセプトとデザインに共感していただいた事から始まりました。基本的な部分は理解を得ていた事で、設計はスムーズに進み、私達の提案を多く取り入れていただけました。片持ハネ出のバルコニー、オープン階段、キッチン、洗面台、ミニカー陳列棚等、これら総てオリジナルデザイン設計によるディテールから作成されています。しかし、最も重要なのはコストを下げていかに快適な住まいを作るかでした。内外装の仕上は#01と同じ考えに基づいていますので、快適性についての考えをご紹介します。住まいの快適性で最も大切なのは、言うまでもなく断熱と気密です。まず熱を輻射、対流、伝導に分けてそれぞれに適した対策をとることが重要です。この家では、内断熱+外断熱(アルミ箔付)+通気層、屋根は内外断熱の間にもう一層断熱を設けて、トリプル断熱にしています。これにより、かなりの省エネと快適な空間が確保されています。 |
素魅家#04 北長瀬本町の家 竣工年:2009年 |
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---外装--- |
駅前という立地が気に入って購入した築17年の木造住宅。このままでは住みたくないという施主の相談から始まったリフォーム話でしたが、老朽化した部分の単なるメンテナンス改修ならやらないほうが良いですよとアドバイス。ここから本格的な改修工事が始まりました。まず1階部分の柱と間仕切り壁を大胆にも取り払い、柱、梁の補強と合成を行って大空間とし、水廻りだけをスリーインワンのコアとしました。また和室だったスペースはバイク(自転車)とスポーツ好きのクライアントの為の趣味のスペース、通学路に面する南側は2階のベランダを延長し、開放感とプライバシーを両立させる為にメッシュスクリーンでスキンしています。時代に対応した性能、機能、デザインに再生するをコンセプトに、躯体の詳細調査を行い、さらに構造補強と設備の更新を行っています。屋根はフラットな金属屋根にする事で、固定荷重と風圧力を低減して構造強度を上げ、さらにシンプルモダンで斬新な外観デザインに生まれ変わらせています。 |
素魅家#05 吉備津の家 竣工年:2011年 |
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---外装--- |
敷地は岡山市内西部のまだ少し田畑の残る地域です。周囲が平地ということで、採光と通風、見晴らしを意識して間取りは南面を中心にバルコニーやテラス、各部屋を配置しました。またリビングは吹き抜けとし、窓を開ければ気持ちの良い光と風が差し込んできます。この間取りの中心にある吹き抜けリビングが、2階にいる子供や家族の気配を感じ取らせ、家中をつながらせてくれます。さらに柱や梁には県産材を使い、カラ松の無垢フローリングやウッドデッキなど、天然木をふんだんに使ったこの住宅は、毎日やさしさと温もりを感じさせてくれるでしょう。 |